2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・アライアンスの逆機能とソーシャル・エンタープライズへの進化
Project/Area Number |
19530368
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
佐々木 利廣 Kyoto Sangyo University, 経営学部, 教授 (80140078)
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Keywords | ソーシャル・アライアンス / 逆機能 / 企業とNPO / 協働 |
Research Abstract |
企業とNPOという異なったアクター間のソーシャル・アライアンスの進化過程を理論化しながら、その過程でNPOが意図せざる結果という陥穿を克服しながらソーシャル・エンタープライズとして独立した存在になるまでの過程を分析することが目的である。この目的のために、90年代以降注目されつつあるソーシャル・アライアンスやソーシャル・エンタープライズの議論のなかで、組織間学習、組織間信頼をキーワードにする企業とNPOのソーシャル・アライアンスのダイナミックなプロセス志向の研究を中心にして文献レビューを行なった。たとえば、1.問題ストリーム,政策ストリーム,組織ストリーム,社会的・政治的・経済的ストリームから協働の窓(collaborative window)が開かれるプロセスを分析する研究(D. J. Lober, 1997)、2.協働をタスクフォース、JV、戦略的架橋、調整に区分し、解決すべき問題が複雑であり関与の度合いも低い場合のタイプは戦略的架橋であることを提示した研究(F. Westley=H. Vrendenburg, 1991)、3.企業と環境NGOをはじめとする多様なステイクホルダー間の協働過程を学習-行為ネットワークという概念によって説明する研究(S. Clark=N. Room, 1999)などである。さらにソーシャル・アライアンスの具体的ケースとして、横浜ビール・日本地ビール事業研究所と北鎌倉湧水ネットワークとの間の「北鎌倉の恵み」の製造や販売に至る過程と予想しない逆機能についてインタビュー調査を実施した。帝人テクノプロダクトとNPO法人ピースウインズ・ジャパンとによる難民支援用バルーンシェルター共同開発のケースについてインタビュー調査を実施した。ほかにもソーシャル・アライアンスのケースについて情報収集を行なった。
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