2008 Fiscal Year Annual Research Report
知識労働者のキャリアの多様化と人的資源管理 -フィールドワークによる分析-
Project/Area Number |
19530370
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
三輪 卓己 Kyoto Sangyo University, 経営学部, 准教授 (10440869)
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Keywords | 知識労働者 / 自律的キャリア / バウンダリーレス・キャリア / キャリア志向 / 学習 / 人的ネットワーク / 人的資源管理 |
Research Abstract |
知識労働者の多様なキャリアについての調査と分析を行った。 1.インタビュー調査 昨年に引き続き、ソフトウェア技術者ならびに経営コンサルタントへのインタビューを行い、彼(彼女)らのキャリアの多様性と、各々の特性についての比較分析を行った。まず、知識労働者のキャリアを、組織内キャリア、組織を移るキャリア、起業するキャリアに分けたうえで、それぞれのキャリアにおいて知識の獲得や人的ネットワーク、キャリア志向などが異なることを明らかにした。組織内キャリアでは知識の獲得に一定の秩序のあるプロセスが存在しており、学習や人的ネットワークの形成も社内を中心に行われていた。さらにキャリア志向も組織や管理を重視するものが必要となることがわかった。一方転職・起業するキャリアでは、知識の獲得がややランダムに行われ、学習や人的ネットワーク形成が社外中心で行われていた。そしてキャリア志向も組織を重視するものではなく、独立や自律、あるいは社会貢献などを重視するものが多いことがわかった。 2.アンケート調査 インタビュー調査の結果を基に質問表を作成・配布し、現在までに約400名の知識労働者からの回答を得ている。統計分析の結果、日本の知識労働者に、専門職志向、管理職志向、社会貢献志向、独立志向、自律志向という5つのキャリア志向があることが確認された。そして、それらのうち社会貢献志向と独立志向が特に転職・起業との関連性が強く、また5つの志向がそれぞれインタビューでみられた学習やネットワークを規定しており、成果や満足にも影響を与えていることが明らかになった。
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