2007 Fiscal Year Annual Research Report
金融コングロマリットの経営効率性とその経営上の問題点-日米欧比較研究
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19530378
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久原 正治 Kyushu University, 経済学研究院, 教授 (00319485)
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Keywords | 金融コングロマリット / 金融機関経営 / 金融機関の経営戦略 / 金融機関の組織 |
Research Abstract |
本年度は、3年間の研究の初年度である。米国の金融コングロマリット組織の現状と課題について、既存の研究や公刊された資料により、その調査を開始した。欧米の金融コングロマリットの戦略や組織の経営的側面に切り込んだ研究著書や論文などの既存研究をサーベーし、金融コングロマリットの経営的特徴をまとめると共に、グローバルに活躍する金融コングロマリットの経営戦略や組織とその経営成果や問題点の背景を探った。 欧米の金融機関の経営の実情について最近では、様々な金融機関の経営にタッチした当事者の経験をまとめた自伝などが発表されている。このように公刊された様々な複数の資料や記録、自伝類を集めその経営行動の実態の読み取りを開始して、2年目以降の実証研究に備えた。 たまたま、本年度に明らかになったサブプライム問題は、金融コングロマリットの経営組織としての脆弱性を浮き彫りにすることになった。この間に様々な雑誌記事やニュースをフォローして最新の情報収集に努めた。現時点では事態が流動的であり、学者によるサブプライム問題と金融コングロマリット経営の本質を突く研究成果はまだ出てきていない。2009年度はこの戦後最大の金融危機に直面した金融コングロマリット組織の経営問題の研究解明に絶好の年となる。 このように資料の収集とその読み込みが初年度の主たる実績であるが、そこで出てきた問題意識をまとめ、下記の論文以外に「週刊金融財政事情」という専門誌に2007年11月26日号から2008年4月14日号まで18回にわたり「邦銀グローバル化の見果てぬ夢18夜」と題して、18回の連載を行った。ここでは、邦銀と米銀を比較する形で、その戦略、組織、経営者のリーダーシップについて、これまで読み込んだ資料をべースとする18回の問題提起を行っている。このそれぞれの問題が2年度の実証研究で検証すべきテーマに発展することになる。
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Research Products
(3 results)