2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19530385
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 成則 Yamaguchi University, 経済学部, 教授 (50232301)
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Keywords | 投資意思決定 / エージェンシー理論 / ペッキング・オーダー理論 / リスクの証券化 / 保険と金融の融合化 / リスクヘッジ / 仕組み債 / ファイナイト保険 |
Research Abstract |
2年間の研究計画のうち、19年度は、「企業の投資意思決定における保険事業の役割」についてその理論的枠組みを研究し、20年度の実証研究の準備を行った。具体的には、金融・資本市場の不完全性と摩擦的費用の存在を前提とするエージェンシー理論によって、個別企業の保険需要とリスクヘッジ手段の選択行動をモデル分析した。また、保険事業における技術革新要因を、資金調達における摩擦から発生するエージェンシー・コストを軽減することに求め、財務管理とリスク管理を一体化した統合リスク管理の重要性について、理論的に考察を加えた。そのために、理論と実証の両面から、資金調達においてエージェンシー・コストが発生している理由とその状況を整理し、保険契約やリスクヘッジ手段によってこうしたコストが手段がどのように変遷しているかを実態調査によって明らかにした。とくにこれまで金融機関がメインバンクとして果たしていた役割が、金融構造の直接金融への転換によってどのように変化し、企業独自のリスク管理が進捗してきたかを分析した。こうした分析枠組みを活用して、20年度に独自に実施するアンケートおよびフィールド調査によって、企業の資金調達において活用されているリスクヘッジ手段とその選択要因を解析する。こうした理論と実証面に跨る調査・解析によって、企業経営における利害関係者間の利害を調整して、それに付随する非効率を解消する手段として、保険契約や各種のリスクヘッジ手段が果たす役割を明確にする。同時に、金融・資本市場の変革にあって、保険事業が果たすべき役割を模索する。
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Research Products
(4 results)