2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530388
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
河合 勝彦 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 教授 (70278274)
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Keywords | 普及モデル / シミュレーション / エージェント / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、イノベーション、新製品等が、どのように社会の人々の間に普及していくのか、さらに、どのようにすればこの普及過程を促進することができるのか、という問題について、普及理論のフレームワークを用い、マーケティング分野への応用を主目的として考察を加えている。 分析手法としては、システム・ダイナミックスおよびエージェントベース・モデルを中心としたコンピュータ・シミュレーションを採用し、その分析結果から、イノベーション・新製品普及促進のためのマーケティング戦略等に関する提言をおこなっている。 より詳細には、われわれが今までに構築した、新製品普及過程を描写するシステム・ダイナミックス(微分方程式モデル)とエージェントベース・モデルの総括をおこない、両者の接合方法について理論的な説明をおこなっている。さらに、エージェントベース・モデルとネットワークモデルとの融合を検討し、人間社会に特有のネットワーク構成におけるイノベーション普及とは、どのようなものかを考察している。 今年度の主要な成果としては、耐久消費財のみに着目していた普及モデルを、サービスの普及過程にも適用し、いくつかのプロトタイプ的エージェントベース・モデルを作成した。これは、情報化社会を描写するのに、より相応しい普及モデルとは何か、という問題意識に起因する。具体的には、サービスの普及減少に特徴的な、顧客減少(利用中止)、普及の天井、消費者同士のネット上におけるつながり(ネットワーク)等を考慮したエージェントベース・モデルを作成し、その特徴について検討を加えた。 また、Webデータを活用した、イノベーション普及のデータ・テキストマイニング分析にも着手しており、Web上における出現頻度の高いキーワードを利用した普及過程の描写モデルを構築している。現在、ホームページ上において、その分析ツールの公開準備をおこなっている。
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