2008 Fiscal Year Annual Research Report
製品パッケージによるコミュニケーション効果とブランド育成に関する研究
Project/Area Number |
19530392
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
竹内 淑恵 Hosei University, 経営学部, 教授 (40366828)
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Keywords | コミュニケーション効果 / ブランド育成 / 製品パッケージ開発 / コンジョイント分析 / 潜在成長曲線モデル |
Research Abstract |
消費者とのコミュニケーション活動には、従来マスコミ4媒体が使用されてきたが、すべての新製品のコミュニケーション活動に予算が潤沢に振り分けられるとは限らない。そのため、包装消費財を企画・開発する企業では、製品パッケージを通した消費者への情報伝達の重要性が認識されている。しかし、パッケージ情報がどのように、またどの程度消費者に処理されているのかはマーケティングの研究分野として解明されているとは言いがたい。そこで本研究では、前年度に開発した「パッケージ評価尺度」と実際の購買データを用い、製品パッケージ要素による売上げへの影響を実証的に分析する。あわせて「パッケージ評価尺度」に基づいて、架空ブランドの製品パッケージを作成し、「売れる製品パッケージ」開発のあり方を検討する。 まず、冷凍食品、ヨーグルト、飲料、カップ麺を対象カテゴリーとし、(1)新奇性・個性、(2)理解のしやすさ、(3)なじみ・身近、(4)高級感・洗練の4因子15項目の変数から構成される「パッケージ評価尺度」による評価を行い、潜在成長曲線モデルに適用して、製品パッケージ要素による売上げへの影響を検証した。その結果、売上の高・不調に影響を及ぼす説明変数が有意に異なる事例が見出され、「パッケージ評価尺度」の有用性が確認された。そこで次に、これら4次元を用いて、パスタ、チョコレート、制汗剤の架空ブランドのパッケージデザインを作成し、各因子がどのような重要度で消費者の購買意図形成に影響を与えるのかを、コンジョイント分析によって検証した。分析の結果、4次元はいずれも購入意向に影響を与えるが、各因子の影響度合いは製品カテゴリーによって異なることが明らかになった。架空ブランドを使用し、パッケージに対する購入意図形成を検証したことにより、既有のブランドの影響を分離・排除し、新製品のパッケージが伝達すべき印象を明確化できたという点で本研究は意義深いと考える。
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Research Products
(5 results)