2007 Fiscal Year Annual Research Report
変容するセグメント組織のための業績測定システムの研究
Project/Area Number |
19530400
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 賢 Yokohama National University, 経営学部, 准教授 (50282439)
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Keywords | セグメント / 貢献利益 / 直接原価計算 |
Research Abstract |
当該年度は,セグメントの業績測定に不可欠である貢献利益法とその周辺領域に関して研究した。その成果として,1冊の著書と2編の論文を公表する事ができた。以下の成果を上げることができた。 (1)著書においては,変容するセグメントの形態に対応して貢献利益法,特に固定費・間接費の区分表示の方法が変化していく過程を描写した。セグメントへの跡付可能性から個別固定費の概念がうまれ,事業部制組織の普及に伴い管理可能原価・管理不能原価の概念が現れてくるプロセスを明らかにした。特に事業部制組織の展開と,責任と権限の委譲程度によって固定費・間接費が詳細に区分され,それに伴い事業部自体あるいは事業部長の業績測定に必要な利益概念が生成されていく過程を歴史的に解明することができた。 (2)企業内部の業績測定等に有用な貢献利益を表示する直接原価計算が,外部報告会計になぜ採用されなかったのかについて検討した。採用されなかった理由として外部の利害関係者が企業の業績を評価する場合に,積極的な効用を示すことができなかったためであるという結論に至った。 (3)貢献利益法の一種の変形であるスループット会計の変遷について検討した。スループットは,全体最適を図る生産管理の文脈から出てきた概念であるが,非常に貢献利益と類似したものである。スループットは全く新しい概念というわけではなく,コスト・ビへイビアの観点からの貢献利益法の理論的純化であるという点を明らかにした。
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Research Products
(3 results)