2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530404
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 達司 Nagoya University, 経済学研究科, 教授 (80191419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 英明 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80177435)
太田 亘 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20293681)
胡 丹 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (10386667)
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Keywords | 行動ファイナンス / 財務会計 |
Research Abstract |
これまでの経済学では合理的な行動を行う個人が仮定されてきたが、実際、個人は必ずしも合理的な行動を行うとはかぎらない。近年、このことに注目して経済理論を再構築しようとする動きが活発になっている。それが、行動経済学、行動ファイナンスである。本研究の目的は、行動経済学、行動ファイナンスの理論を用いて日本における会計関連の現象がなぜ生じるかを説明し、かつそれを実証的に検証することである。 (1)市場の効率性とTOBについて 日本の株式市場においては、TOBの実行に関して様々な障害があり、市場が効率的であるとは言えない。しかしこの状態を放置しておけば、日本における資源配分の効率性が低まるので、効率的ではない株式市場において、できるだけ円滑にTOBを実行する手段をアナリティカルなモデルによって明らかにし、その結果をケース・スタディによって検証した。 (2)新規株式公開(IPO)と利益操作について、 企業がIPOを行った直後の株価は高騰する。これは、企業の将来キャッシュフローを投資家が期待していることによって一部説明できるが、多くは投資家の群衆行動(herding behavior)によると考えられる。 このことを前提とすると、未公開株式を保有し、かつIPOを予定している企業の経営者は、利益操作によって株式をさらに高騰させて、保有株式を売却しようとするインセンティブを有することになる。分析の結果、IPO直前の決算期には利益操作が行われ、IPO後の決算期に利益が反転することが判明した。
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Research Products
(2 results)