2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530412
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
青木 茂男 Aoyama Gakuin University, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50129061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青淵 正幸 立教大学, 経営学部, 准教授 (00290130)
中嶋 教夫 明星大学, 経済学部, 講師 (90409425)
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Keywords | 企業価値 / 株主価値 / 日米比較 / リアル・オブション / DCF法 / 企業規模 |
Research Abstract |
本年度は企業価値創出と株主価値をテーマに、(1)企業価値測定における問題、(2)株主価値測定の際に企業価値から控除する負債価値の測定上の問題、(3)企業価値測定における不確実性への対処、(4)企業規模と収益性の関係、について研究した。 企業価値は予測に基づいて測定するのであるが、キャッシュ・フロー予測の困難性、資本コストや無形価値測定手法の未成熟、測定手法の多様性、などによって測定結果は手法によって大きく異なる。企業価値測定はScienceとArtの中間とも言われる所以である。DCF法から株主価値を推計する際に控除する負債価値も本来は時価であるべきところを簿価で代用しているが、成熟企業と新興企業との問には時価と簿価の関係に相違があるものと思われる。負債価値の研究は学会でも緒に就いたばかりだが、実証分析の結果有利子負債と株主資本の関係は成熟企業と新興企業との間に相違が見られた。また、予測の不確実性を企業価値測定に組入れる方法としてリアル・オプションの可能性を研究した。全ての企業にオプション価値を見いだすのは困難だが、製薬、石油掘削など不確実性が特に高い産業においてはオプション価値を考慮して企業価値を測定する必要がある。 以上が企業価値測定に直接関係するテーマだが、企業価値は根源的には収益力によって創出されるものである。2007年度は日米の収益力格差の原因を探ったが、今年度は企業規模と収益性の関係を日米企業について行った。日米ともに企業規模が小さい企業よりも大きい企業の収益性が高いことが明らかにされた。規模が大きくなるにつれて売上高利益率が高くなるためである。
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