2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530422
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
杉本 徳栄 Kwansei Gakuin University, 経営戦略研究科, 教授 (50206695)
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Keywords | 会計学 / 国際会計 / 会計基準 / 収斂 |
Research Abstract |
会計基準の国際的収斂(コンバージェンス)とともに、日本が会計基準のひとつとして国際財務報告基準(IFRSs)を受け入れる可能性があるとすれば、IFRSs導入の容認に関する検討段階とIFRSs導入決定後の整備段階に二分したうえで、各段階に固有の事象や不可欠な要件並びに各段階で生起する問題点などから知見を得ることは有益である。「国際財務報告基準(IFRSs)導入時の問題点とその対応策」(『会計・監査ジャーナル』第20巻第11号)では、アメリカ証券取引委員会(SEC)によるアメリカ企業へのIFRSsの導入可否に向けたロードマップ案や、韓国のIFRSs全面導入のロードマップの展開過程から、その知見を導き出した。 会計基準の競争優位については、アメリカでのIFRSs適用動向を明らかにすることで模索した(「米国内でのIFRS適用に向けた動き」、『企業会計』第61巻第1号)。とくに、アメリカにおけるIFRSs適用動向は、SECの元主任会計士のニコライセン(D.T.Nicolaisen)によるロードマップを基点とした、外国民間発行体のIFRSs適用規制軸とアメリカの発行体のIFRSs適用規制軸から構成されている。アメリカのIFRSs適用規制には、(1)SECスタッフのIFRSs準拠財務諸表のレビューと(2)SECの円卓討論による二面的検討手法を採用していることに特徴がある。 また、SECがアメリカにおけるIFRSsの受入れの決定を下すまでの過程について、第一次資料をもとに忠実に辿り、その決定までの根底に流れ、またその背後に潜むSECの「高品質で国際的な会計基準」に寄せる会計政策の思考ないし思想について明らかにした(『アメリカSECの会計政策-高品質で国際的な会計基準の構築に向けて』(中央経済社刊))。
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Research Products
(3 results)