2008 Fiscal Year Annual Research Report
イエ存続戦略と地域ネットワークの展開に関する経験的研究
Project/Area Number |
19530426
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
永野 由紀子 Yamagata University, 人文学部, 教授 (30237549)
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Keywords | 農村社会学 / 比較家族 / イエ / 農家 / 相続 / 直系家族 / 日本 / 庄内地方 |
Research Abstract |
研究の2年目にあたる本年度は、研究テーマに関わる統計資料や歴史的文献の収集を前年度に続いて継続すると同時に、前年度の予備調査の結果をふまえ、岐阜県大野郡白川村と山形県庄内地方鶴岡市を対象地とする本調査を実施した。その結果、以下のことが明らかにされた。 ◇山形県庄内地方について 1) 歴史的資料から、最上川の川北と川南では、かなり歴史や文化が異なるし、川南のなかでも、旧鶴岡市と旧東西田川郡とでは異なる。 2) 統計的には、水田の経営規模が大きく、稲作を中心に第一種兼業農家が全国と比すると相対的に多い。 3) 庄内地方の農村は、全国的に見ると、三世代・四世代同居の直系家族が多いが、近年は、高齢者夫婦だけの世帯や高齢者単身世帯も若干でてきている。 4) 農業専業的な農家は、直売所に出荷する等、果樹作や野菜作を中心に複合部門の比重が高い。 ◇岐阜県大野郡白川村について 1) 歴史的資料から、中切地区と大郷地区と山家地区と大きく三地区で歴史や産業や文化が異なる。 2) 平場農村と異なり、稲作は自給的で、炭焼きや硝煙や山桑依存の養蚕が伝統的に行われていた。 3) 山村の豪雪地帯であるため、人口減・世帯減・高齢化が顕著である。 4) 世界遺産登録後、若い世代のUターンやIターンによる人口増・世帯増が見られる。
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