2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報行動と社会的ネットワーク形成に関する実証的研究
Project/Area Number |
19530431
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬塚 先 Chiba University, 文学部, 教授 (70009752)
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Keywords | 情報行動 / 地域情報化 |
Research Abstract |
情報行動全般の傾向を明らかにするために、市民を対象としたアンケート調査、そしてインターネット上の行動や関係をしめす事例として、各地域で行われているSNSの実情について、ヒアリング調査を行った。ある自治体(千葉県浦安市)を対象としたアンケートでは、市民全体としてはインターネットを使いこなしている人の割合は2割程度、そして自分の意見の積極的表明ではなく、むしろ周囲との調和、共存を、インターネット上の発言、行動における第一基準としている傾向が明らかとなった。 SNSを場として展開されるつながりは、インターネット一般よりは焦点が明確となり、関係の継続性が強まる。その場合、インターネットに関わる人々が共通に分かち合えるテーマや個別の問題関心、あるいはローカルな話題が中心となるときに、継続性を持つといえる。SNSが従来のコミュニティーに変わる主要な関係形成のきっかけとなるかどうかは、SNSの開設がさまざまな事情から作られているため、今のところ未知数である。 市民アンケート、及びインターネットを介するコミュニティの観察から、情報化、インターネットの広がりの過程で、身近な世界の重要性、つまりスモール・ワールドが、関心の中心に置かれていることが示された。インターネットを場とする関係の拡大と収斂の傾向が同時に,存在する傾向の一端が明らかにされた。
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