2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報行動と社会的ネットワーク形成に関する実証的研究
Project/Area Number |
19530431
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬塚 先 Chiba University, 文学部, 教授 (70009752)
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Keywords | 情報行動 / 地域情報化 |
Research Abstract |
地域社会レベルでのIT化の進行とそこでの情報行動、ネットワーク関係の現状と課題を明らかにする目的で、8ヵ所の地域についてインタビュー調査を行い、次の点が明らかになった。地域SNSを積極的に進めているケースでは、活動内容と運営の面で特徴が見いだされた。それらを列挙すると、(1)コミュニティの再認識、コミュニティと個人のインターフェイス、(2)調和・共存を基盤とする共同体、(3)オンライン情報の実感、(4)オンライン関係の延長、拡大、(5)情報の活用、として整理できる。そして、これに加えて、各地域で固有の特徴を備えており、たとえば、情報リテラシーの入り口、行政サービスから共同性へ、共同と近接性、を見て取ることができる。 他方で共通な部分も存在する。地域社会のつながり、お互いのコミュニケーションの活発化という、会話の広がりを作ること、地域社会特有の事柄、再認識という側面である。これらはSNSの中でどのようなグループ、『コミュニティ』が展開され、活発にやりとりされているかを見ることで明らかになり、いずれも地域社会の身近な問題、たとえば子育て、環境などが主な内容を持っていた。以上の特徴を、「情報化文化」として整理することによって、地域的特性とオンライン・コミュニケーションを包括的に理解する枠組みを引き出した。
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