2009 Fiscal Year Annual Research Report
軍隊の駐留と関連するマイノリティ層の総合的研究-岩国市を中心に-
Project/Area Number |
19530446
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野入 直美 University of the Ryukyus, 法文学部, 准教授 (90264465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 泰郎 広島国際学院大学, 現代社会学部, 准教授 (80281765)
高畑 幸 広島国際学院大学, 現代社会学部, 准教授 (50382007)
山本 かほり 愛知県立大学, 文学部, 准教授 (30295571)
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Keywords | 軍隊 / 岩国 / 基地 / 基地雇用員 / アメラジアン / フィリピン人労働者 / 韓国 / 歓楽街 |
Research Abstract |
2009年度は、軍隊や関連施設と地域との関係について、国内外の文献資料や先行研究を改めて収集し、検討を行った。収集に際しては、国立国会図書館関西分館へも出張を行った。特に、日本の近代を対象とした歴史学の研究に焦点を当てて分析を行った。軍隊の駐留が地域経済にどのような影響をもたらすのかについて、歴史学を中心に、先行研究が何をどこまで明らかにしているのかを検証し、今後の研究課題を析出した。 日本国内および韓国にて、フィールド調査を行った。日本国内では、関東地方の米軍基地に勤務するフィリピン人従業員に入職経路等について聞き取りを行った。また、韓国においては、京畿道にある米軍基地に隣接する歓楽街の女性を啓発・支援する非政府組織を訪問し、フィリピン人を含む外国人女性の就労実態と彼女らが抱える問題について資料収集および聞き取りを行った。これらの研究は、基地周辺の歓楽街の国際比較、フィリピン人軍雇用員の就労をめぐる問題の国際的研究につながるものである。 また、シンシア・エンローの「軍事化」と「脱軍事化」の概念についての文献サーベイと理論的考察を行った。アメラジアンとその家族の経験を「軍事化」という方法論的な概念によって分析する手法について模索を行った。さらに、岩国のような相対的に小規模な米軍基地の駐留する地域社会における民族関係やアメラジアンのアイデンィティの特色を、沖縄のような大規模な米軍基地の集中がある地域社会におけるそれと比較し、分析を行った。
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[Journal Article]2010
Author(s)
野入直美
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Journal Title
「アメラジアンはチャンプルーの構成要素になっているか?」『沖縄・ハワイ:コンタクト・ゾーンとしての島嶼』所収(石原昌家・喜納育江・山城新編著)(彩流社)
Pages: 全444 15 323-338
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[Journal Article]2010
Author(s)
高畑幸
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Journal Title
「地域社会にみる多文化共生-名古屋市中区のフィリピン・コミュニティの試み」『もっと知ろう!! 私たちの隣人-ニューカマー外国人と日本社会』所収(明石書店)
Pages: 146-172
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[Journal Article]2010
Author(s)
伊藤泰郎
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Journal Title
「軍隊や軍事施設が地域にもたらす経済的影響についての一試論-戦前期の日本を対象とする先行研究の検討を中心に-」科学研究費補助金研究成果報告書『軍隊の駐留と関連するマイノリティ層の総合的研究-岩国市を中心に-』所収(彩流印刷)
Pages: 1-14
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