2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもへの暴力・虐待の発生およびその予防教育の効果に関する調査研究
Project/Area Number |
19530450
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石川 洋明 Nagoya City University, 大学院・人間文化研究科, 教授 (20201915)
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Keywords | 子ども虐待 / 暴力 / 防止 / 安全 / 治安 / 予防 / 社会変動 |
Research Abstract |
本研究は、3年計画で、子どもへの暴力・虐待を防止するプログラムの中・長期的効果を測定すること、および、子どもの暴力被害経験の経年変化を測定し、子どもの環境や社会の治安についての実態を明らかにすることを目的としている。 前者の効果測定については、前年度に引き続き調査準備および調査をおこなった。中・高校については、研究協力団体のご協力により計5校と交渉し、うち中学1校、高校1校の計2校で実施し、中学校では215票、高校では276票の質問票を回収した。大学については、研究代表者のネットワークを利用して引き続き協力者を募ったところ、6大学で実施し約1460票を回収、2大学で実施準備をおこなった。また、後者の暴力被害調査に関しては、研究協力団体からの紹介をいただいた2地域の団体より、それぞれ10年分程度(1990年代末~2007年)のデータ提供を受け、うち1地域では総計9690票のアンケートのコーディングと入力が完了し、もう1地域のデータについては1553票のアンケートのコーディングとデータが完了し、引き続き分析をおこなった。 ただし、前者の効果測定において「防止プログラムに参加した」と回答した者の比率が、中学で約37%なのに対し、高校では約3%、大学では約1%であり、参加に関する記憶が非常に薄くなっていることが判明した。この地域での防止プログラム実施実績から見て、この数字が実際の参加率を反映したものではないとは思われるが、防止プログラムでの学習成果が十分保持されていないことが明らかになつた。よって、当初予定していた対比による効果の検証は、主として中学校データを用いておこなう。なお、データ解析結果については順次論文や学会報告の形で発表する予定であるが、第1弾として2010年9月の子どもの虐待とネグレクトに関する国際会議(ハワイ大会)の報告に現在エントリー中である。
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