2008 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖の水環境保全とローカルガバナンス:環境NPOによる多主体連携の可能性と課題
Project/Area Number |
19530451
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
野田 浩資 Kyoto Prefectural University, 公共政策学部, 准教授 (60250255)
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Keywords | 環境社会学 / 水環境保全 / 住民参加 / 環境NPO / 環境ガバナンス / NPOマネジメント / 琵琶湖 |
Research Abstract |
本研究は、琵琶湖流域を取り上げ、環境NPOを起点とする多主体連携による水環境保全とローカルガバナンスの可能性と課題を明らかにしようとするものである。具体的には、滋賀県守山市のNPO法人「びわこ豊穣の郷」をインテンシブに調査することによって、地域社会レベルでの環境ガバナンス形成において環境NPOの果たす役割と課題について明らかにすることを目標とした。 平成20年度は、平成19年度に実施した「びわこ豊穣の郷」の会員アンケート調査とコアメンバーに対するインタビュー調査の分析を進め、理論的一般化を図り、実践的提言をまとめた。平成20年5月には、会員アンケート調査とコアメンバーインタビューをもとにして、NPOに対する提言をまとめた。会員アンケート調査の分析においては、NPO会員の社会的属性、参加動機などの基本的項目に加え、NPOの運営方針等に関する会員間の意見の相違の布置連関について多くの知見が得られている。調査結果は、平成20年9月に、環境経済・政策学会において共同報告を行い、その報告内容の一部は、『水資源・環境研究』に投稿、掲載された。 平成21年3月には、研究成果報告書をまとめた。第I部「地域環境NPOのマネジメント」では、居住歴や社会関係資本に応じて、活動の志向性や財源確保に関する会員の意識が多様化しており、「自立/連携」をめぐるジレンマの解決が課題となっていることを示した。第II部「多主体連携と環境ガバナンス形成の課題」では、NPOと地域社会の他の主体(自治会・町内会、行政、経済主体)との関係形成について検討し、また、他地域との事例比較を通じて「実践/管理/仲介」の観点から一般化を図った。
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Research Products
(5 results)