2007 Fiscal Year Annual Research Report
健康・医療を重点とした野宿者への包括的支援をめざす調査及び公-民協働に関する研究
Project/Area Number |
19530453
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中嶋 陽子 Osaka City University, 都市研究プラザ, 特任講師 (80445048)
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Keywords | ホームレス / 医療・健康問題 / ワーキング・プア / 包括的支援 / 公-民協働 / ヒューマン・サービス / 生活保護 / 社会的排除 |
Research Abstract |
京都市内や周辺には、ホームレス支援を行う群小の諸団体が、多数存在する。これら諸団体の独自のこだわりや共通の目標を意識しながら、私たち(現研究代表者・研究協力者グループ)は、平成18年より、医療系専門職のネットワーク化を念頭において、動き出していた。助成金を得た平成19年度は、引き続き、まず、支援団体や当事者の会との協力関係の中で、民間サイドからの支援の状況を、踏み込んで看取し、全体を俯瞰することに努めた。その結果、研究代表者・研究協力者の呼びかけによって、団体間の寄り合い(隔月)、医療を主眼とした健康・よろず相談会(年1回)、アウトリーチ型医療支援(毎月)が実現し、継続的に、活動や記録(資料)の蓄積を行っている。 二月には、研究者や全国の支援団体が集まるシンポジウムにおいて、私=研究代表者は、京都の現状と特質を報告した。その後、東京(NPO法人「もやい」)と九州([北九州ホームレス支援機構])を訪問し、リーダー層のヒアリングのほか、参与観察をおこなった。これらは、東西の代表的な支援団体とみなしうるため、当事者との関係性を含め、モデル典型例として、考察を行ったものである(概要を知るためのプレ訪問)。 三月には、健康・医療問題を中心にした、当事者へのヒアリング調査を行い、当事者の会や支援者の協力のもと、元野宿者を含めて45名分を終了した。その目的は、おもに、身体の全体状況、退院後の生活保護の継続性、路上からの医療サービスの利用実態を知るためである。それらの分析と報告会・研究会への展開は、20年度の課題である。以上
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