2007 Fiscal Year Annual Research Report
大都市における都市問題の発生状況とコミュニティ形成に関する社会学的研究
Project/Area Number |
19530460
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
飯田 俊郎 Sapporo International University, 現代社会学部, 准教授 (60254736)
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Keywords | 社会学 / 社会調査 / 都市問題 / コミュニティ / まちづくり / 地域福祉 / 安全安心 / 町内会 |
Research Abstract |
本研究は、札幌市における都市空間構造の再編により、市内各地区で人口構成がどのように変化し、どのような都市問題が発生しているのかを明らかにする。そして、この変化に対応し問題を解決するため、行政機関と地域住民が取り組んでいる活動の内容と協働態勢のあり方を評価し、今後の活動の方向性を提言することを目的とする。 初年度は、人口構成・世帯構成・婚姻・就労・通勤通学・婚姻・居住・地価・まちづくり活動等のデータを収集した。さらにデータに統計解析を施し、札幌全体の「社会地図」と87地区の「コミュニティカルテ(基礎資料編)」を作成し、これを報告書『札幌の社会地図とコミュニティカルテ-市内87地区の地域特性とまちづくり活動の把握-』にまとめた(平成20年3月31日発行、全150ページ)。 報告書の作成を通じて、少子高齢化・人口の都心回帰・都市財政の逼迫・市民参画型のコミュニティ形成など、21世紀の日本の大都市に共通する現象が、札幌市において典型的な形で発生していることが確認できた。そして札幌市では多くの住民活動の内容が、行政からの要請に応じて、恣意的かつ地域横並び的に選択されていることが確認された。少数ながら、「活動の量から質への転換」「住民ニーズの客観的な把握と対応」「形式的な結果よりも市民協働の過程の重視」といった今日的な課題への取り組みを発見することもできた。 平成20年度の研究は、この報告書を札幌市内87地区のまちづくりセンター所長・連合町内会長・福祉のまち推進センター代表に送付することから始まる。そして送付と同時に、報告書で提供した情報に基づき、都市問題の発生状況とまちづくり活動の対応状況に関する質問紙調査を実施する。その分析結果は平成20年度の報告書「コミュニティカルテ(事業評価編)」に盛り込まれる。この流れの第一歩を堅実に踏み出すことができた。
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