2008 Fiscal Year Annual Research Report
大都市における都市問題の発生状況とコミュニティ形成に関する社会学的研究
Project/Area Number |
19530460
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
飯田 俊郎 Sapporo International University, 現代社会学部, 教授 (60254736)
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Keywords | 社会学 / 都市問題 / コミュニティ / 市民参画 / ボランティア |
Research Abstract |
本研究の目的は、札幌市内の各地区でどのような都市問題が発生しているのかを明らかにし、その解決のために行政機関と地域住民が創り出した協働態勢を評価することである。そのため、平成19年度は、都市問題地図を作成し、問題の発生パターンをエリア別に明らかにし、報告書『札幌の社会地図とコミュニティカルテ』を作成した。平成20年度は、市内87地区のまちづくりセンター・連合町内会・福祉のまち推進センターの事業内容を調査し、報告書『札幌市内87地区の地域特性とまちづくり活動-地域優先課題の模索-』を作成した。 (1)まちづくりセンターを対象とする調査 市内87ヶ所のまちづくりセンターから、札幌市市民まちづくり局地域振興部区政課に対して報告された、過去5年間の地域における主なまちづくり活動事例を整理・分析した(連合町内会による取り組みと、まちづくリセンターによる支援を中心とするデータが収集できた)。そして、都市問題の発生状況とまちづくり活動の整合性を検討した。 (2)福祉のまち推進センターを対象とする質問票調査 市内88か所の福祉のまち推進センターから、札幌市社会福祉協議会に対して報告された、 活動状況(組織状況・会議開催・活動者数・援助世帯数)についてのデータを整理・分析した。そして、都市問題の発生状況と地域福祉活動の整合性を検討した。 その結果、札幌市では多くの住民活動の内容が、(1)行政からの要請に応じて、(2)恣意的かつ、(3)地域横並び的に選択されている地域が多く、そのような地域では問題解決の効果が低いことが明らかになった。その一方で、問題状況を客観的に把握し、民主的な合意形成のプロセスを通じて優先課題を絞り込み、その解決に取り組む地域が析出された。
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Research Products
(2 results)