2007 Fiscal Year Annual Research Report
郵送調査におけるデータ精度向上のための実験的社会調査の実施
Project/Area Number |
19530461
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Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
吉村 治正 Aomori University, 社会学部, 准教授 (60326626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)
渡部 諭 青森大学, 社会学部, 教授 (40240486)
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Keywords | 社会学 / 社会調査 / 郵送調査法 / 回答バイアス / 非回答バイアス |
Research Abstract |
本年度は研究会の定期的開催と学生を対象とした予備調査の実施を行った。参加者がそれぞれ文献調査を行ったところ、従来の社会調査に関する論説は訪問調査を前提になされていること、したがって郵送調査においては論拠が乏しいと判断される議論が少なからず「常識」として扱われていることが改めて確認された。そしてこの文献調査を通じて郵送調査における回答バイアス・非回答バイアスの分析フレームワークを検討したが、非回答バイアスの発生要因としてはリスクファクター(調査主体に対する信頼性の認知)とコストファクター(回答に要する労力の認知)の二つにまとめることができること、回答バイアスに関してはコミュニケーション過程としての社会調査という視点から誘導性の認知へ論点を集約され得るという結論に達した。これを踏まえ、11月に複数の大学に協力を要請して実施した大学生対象の予備調査は、非回答バイアスについてはコストファクターの認知(調査票のレイアウトや設問文章を変更することで回答することへのストレスがどのように低減されるか等)、回答バイアスについては設問文中の誘導性の認知(回答例の提示や設問の順序変更によって回答がどのように影響を受けるか等)に論点を絞って行われた。20年5月現在、回収が遅れているいくつかの協力機関を除き、集計作業はすでに終了し、データの一次分析を行っている。
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