2007 Fiscal Year Annual Research Report
女性のキャリア形成と転職パタン:雇用均等法以後の人的資本高度化の現状と課題
Project/Area Number |
19530464
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
秋吉 美都 Senshu University, 文学部, 准教授 (40384672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒弄 淳也 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90321025)
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Keywords | ジェンダー / 人的資本 / キャリア / 女性 / 教育 / 労働 / 大学 / 達成動機 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的は、「キャリア女性の就業行動・経路を個人を対象にした調査によって明らかにすること」である。具体的には「キャリア女性の離職・転職・再就職のタイミング」を説明するための調査・分析を行う。方法としては、一回調査によるサーベイ・データを収集し、標準的イベントヒストリ分析を行う。 本年度は、研究初年度であり、翌年度の実査に向けて、文献調査、既存データの分析、その結果に基づく学会報告および論文執筆、調査の基礎設計を実施した。既存データの分析には総務省の「就業構造基本調査」のミクロデータを活用した。従来日本では女性の学歴と労働参加の関係が弱く、他の産業社会と異なり、4年制大学の卒業と継続的な就業が結びつかないことが知られている。しかし、本研究では2002年の「就業構造基本調査」分析の結果からこうした傾向に変化が生じていることが認められた。すなわち、学歴と労働参加との間に正の相関が認められ、また、とくに高学歴と正規雇用の関係が顕著である。キャリアに着目して初職就職および転職について検討した結果、転職に関しても、4年制大学卒業者は正規雇用の職に転職する傾向が認められた。また、学歴と労働参加の関係に大きな世代間差異があることも確認された。これらの知見は、日本における女性の学歴と就業の関係の変化を示しており、その体系的な理解が今後の課題となる。分析の暫定的な成果を平成19年8月のAmerican Sociological Association のgender and work部会で報告した。報告に対するフィードバックを踏まえて、19年9月から20年度3月まで、論文執筆および調査の基礎設計を行った。
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Research Products
(1 results)