2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530465
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡田 あおい Teikyo University, 文学部, 教授 (50246005)
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Keywords | 社会学 / 家族史 / 歴史人口学 / 家 / 家族構造 / 直系家族 / 宗門改帳 |
Research Abstract |
本研究は、東北日本2地域(会津山間部4カ村・二本松平野部3カ村)と中央日本1地域(美濃平野部6カ村)の宗門改帳を史料とし、徳川後期農民のライフイベントが直系家族世帯形成にどのように反映しているのかを明らかにすることが目的である。 初年度である本年は、データベース作成と申請者が平成15年度より3年間にわたり、基盤研究C(2)「徳川後期農民のライフコースと直系家族世帯形成のメカニズム」(研究代表者:岡田あおい)により構築したデータベースから完成度の高いデータを用いて人ロ指標を作成し、これを内外の学会で発表した。 データベース作成では、東北日本1カ村(南杉田村)の基礎シート(BDS)の確認と整理を行い、コンピュータ入力の準備を整えた。 さらに、申請者が平成15年度-17年度の3年間に構築したデータベースから、会津山間部4カ村のデータを用い、データクリーニングをしながら、結婚と再婚に関する人ロ指標を作成した。この分析結果は、6月に開催された日本人ロ学会大会(島根)、11月に開催された32nd Social Science History Association Annual Meeting (アメリカ:シカゴ)で報告を行った。また、平成20年2月に開催された7th European Social Science History Confernce (ポルトガル:リスボン)では、会津のデータを近隣の地域との本格的な比較を念頭に置きながら、基本的な人ロ指標の比較を試みた。 本研究は、フランスのピレネー地方の直系家族システムとの比較研究の土台となる指標作りを目的の一つに掲げている。本年度はすでに完成済みのデータベースを用い、結婚に関する人ロ指標を作成したが、データベースの整備作業を徹底する必要があることを痛感した。また、今年度作成した人ロ指標を直系家族システムとのかかわりの中で捉え直すよう研究を発展させることを來年度の目的の一つに加えたい。
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