Research Abstract |
まず理論的検討や既存データの分析を行い,次に当初予定の通り,韓国の農村部(江原道春川市)において,1600人対象の統計的社会調査を実施した。関係的資源,階層構造の評価,再配分への志向,その他の社会意識等について質問項目を設定し,既存の調査との比較を可能にした。地図上で無作為抽出を行い,韓国の国立江原大学の協力を得て,大学生を調査員として雇用した。 既存データを分析して英語論文として米国社会学会で発表した他,日本社会学会と東北社会学会でも成果を発表した。また,政治意識について分析し立教大学の紀要『応用社会学研究』に論文を掲載した。また,多変量解析のテキスト『SPSSによる多変量解析』を執筆し,社会調査データを分析する上での注意点を執筆した。予算は統計的調査の回収作業謝金や調査票印刷費などに用い,その他の予算は可能な限り節約した。これまでのデータを含め我々の-連の研究により,春川と,韓国の首都,第3の都市である大邱という地方都市(旧軍事政権の拠点地域)におけるデータと,日本の3地域,合計6地域におけるデータを得ることができた。調査会社に丸投げせず学生を雇って調査を実施し,データの質はよい。今年度は社会調査実施と調査データ作成に重点をおいた。韓国の政治学者へのインタビューも行った。今年度の調査の具体的な日程は以下の通り。 4月理論的検討,質問項目の作成,韓国側との連絡;5-6月韓国での調査実施準備を開始,質問項目案の作成と理論的検討のための研究会実施;7-10月韓国での調査準備,小規模な予備調査実施,質問項目を確定;11月韓国の農村部(江原道内の1地域を予定)にて本調査実施;12月コーディング,調査票のチェック,データ入力;1月職業など自由回答部分を日本語への翻訳;2-3月データの計量分析,結果の検討
|