2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化における「地域」概念の変容-フランスの周辺地域の文化活動を事例に
Project/Area Number |
19530477
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
定松 文 Keisen University, 人間社会学部, 准教授 (40282892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 講師 (50386520)
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Keywords | 社会学 / 地域文化 / グローバリゼーション / 地域言語 / フランス / エスニシティ |
Research Abstract |
本研究では、1990年代以降のフランスの「地域」概念の変容について、その変容を検証するために従来の「地域」概念の整理と変化の契機となった諸要因の関係を検証することを目的としいてる。 1、歴史的「地域」概念の分析 当初フランスの「地域」概念の整理に絞っていたが、先行研究として地域に関する用語(region、domaine、province、Departement)を辞書の用例とM.フーコーやA.ルフェーブル、F.ブローデルを参照して整理した。いずれにしても領域の支配のために用いられる区分の用語であり、為政者の統治の対象を「人(労働力・奴隷)」「税金」とすることから発展した用語であることが確認された。20年度も継続的に書誌情報を収集する。 2、空間的「地域」概念の分析: 中力の主な調査地域あるアルザス地方を、オック語を専門とする佐野直子(名古屋市立大学)の協力もえて、3人で現地の聞き取り調査を実施した。アルザスはEUの地理的中心にあり、スイスを含む越境性が人・モノの両方に高く、「アルザス語」とドイツ語との関係に影響していることが確認された。また地方言語の活動家には文化の普及を目的とするものと道具的に関与しているものの2タイプがあることが共通理解として得られた。 3、他地域での変化: 研究分担者以外の研究会を年に2回開き、バスクの地域文化がグローバリぜーションの影響によって再生し、活性化されていることが知識提供された。またフィンランドでの社会学会に参加し、そこでグローバリゼーション下の領域概念を学び、ラップランドにおいて「北極圏の人々」というくくり方で領域をまとめて論じていく方法があることが確認された。
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Research Products
(4 results)