2008 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化における「地域」概念の変容-フランスの周辺地域の文化活動を事例に
Project/Area Number |
19530477
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
定松 文 Keisen University, 人間社会学部, 准教授 (40282892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 講師 (50386520)
佐野 直子 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (30326160)
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Keywords | 社会学 / 地域文化 / グローバリゼーション / 地域言語 / フランス / エスニシティ |
Research Abstract |
本研究は、1990年代以降のフランスの「地域」概念の変容について、その変容を検証するために従来の「地域」概念の整理と変化の契機となった諸要因の関係を検証することを目的としている。 1)歴史的「地域」概念の分析エドワード・W・ソジャ『第三空間』、エドワード・レルフ『場所の現象学没場所性を越えて』等の「場所」に関する基礎的理論を参照する必要性を確認した。 2)空間的「地域」概念の分析定松の主な調査地域あるコルシカ地域を、8月-9月の1週間を佐野・中力とともに4つの博物館を訪ね、Jacque FUSINA(コルシカ大学元教授コルシカ語作家・詩人)と「考古・歴史・言語研究開発協会」L'ADECEC (Association pour le Developpement des Etudes Archdologiques, Historiques, linguistiques et Naturalistes du Centre-Est de la Corse)への聞取り調査を実施した。また3月に私費で定松・中力によってコルシカ大学人部学部学部長のJean-Marie Comiti教授とコルシカ・アカデミーのJean-Marie Arrighiへの聞取り調査をおこなった。そこから、コルシカはEUのプログラムで他国の地域との共同研究など行っている越境性は見られるが、フランスの中で政治的に言語教育が認められ、施行されているので、国家内での地域文化振興を基盤とし、EU内での主張や文化運動推進の政治運動を積極的に行っていないことが確認された。さらに、コルシカのビリンギズム(Bilinguism)は厳密でなく、1人の教員による2言語の授業であったり、共通テキストがなかったりと現場の裁量に委ねられるポリノミーの思想にそった教育であることが確認された。同じ制度でありながら、地域による運用の違いを確認できたことが大きな知見である。
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Research Products
(2 results)