2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児療育史研究-重症児キャンペーンとおばこ天使
Project/Area Number |
19530488
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
細渕 富夫 Saitama University, 教育学部, 教授 (10199507)
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Keywords | 重症心身障害児 / おばこ天使 / 障害者福祉 / 特別支援育 / 重度障害児 |
Research Abstract |
本研究は重症心身障害児の処遇問題がどのような経緯で歴史的に登場し、また社会福祉、障害児教育の各分野でどのような特質を持ちながら展開されてきたのか、重症児療育史の全体像を解明しようとする一連の研究作業の一環として取り組んだものである。本年度は昭和30年代のマスコミによる重症児キャンペーンについて、秋田県立図書館においてマイクロフィルム化された「秋田魁新報」紙の見出し検索を行い、関係資料を閲覧・収集した。 その結果、秋田県内における「おばこ」報道の概要を把握できた。きっかけは同紙夕刊に掲載された島田療育園の看護婦不足によって入所できない重症児が多数いるとの記事であった。その後の反響は大きく、同紙は続報を続けていた。このため重症児問題は県民の大きな関心事となり、人手不足解消に向けた呼びかけに応えて、数十人の女性が応募し、それをたたえ、紹介する報道が続いた。 こうして島田療育園の人手不足という形で報道された重症児処遇問題は社会的関心を呼び,この女性たちは「おばこ」天使と呼ばれるようになった。この名称をつけたのは最初の記事を執筆した渡部誠一郎氏(元秋田魁新報編集局長・秋田市立美術館長)であることも判明した。
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Research Products
(1 results)