2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530492
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
福井 一 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (10199185)
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Keywords | 高齢者 / 音楽療法 / 内分泌学 / 心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者福祉の観点から、健常女性高齢者を対象とした音楽療法(コーラス活動)の効果を、内分泌学(ホルモン)・心理学的に研究し、その成果を高齢者福祉に活かすことである。音楽療法が高齢者の心のケア、心身の健康維持・増進に効果的であることを、分子(ホルモン)レベルで実証し、代替療法としての音楽療法の確立の可能性を探っていく。 本年度は、昨年度実施した(研究が順調に進展したため、当初計画を前倒しして実験を行った)実験で得られたデータの分析を中心に行った。分析の結果、内分泌指標(唾液中ホルモン3種類)、心理テスト(POMS)、認知能力テストの、全ての指標において、音楽療法を実施することにより有意な変化があった。音楽療法セッションは、高齢者のホルモンレベルを個々人の適正値に調整すること、またストレス軽減や、不安、抑うつ状態の改善などに効果があることが明らかになった。 これらの研究結果は、平成20年7月に東京で開催された、日本神経科学学会第31回日本神経科学大会において発表した。 現在、データの分析・考察を深め、海外のジャーナルへの投稿準備を進めている。
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