2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530495
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
副田 あけみ Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 教授 (60154697)
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Keywords | 高齢者虐待 / 虐待防止ネットワーク / 形成的評価研究 |
Research Abstract |
都内A区の高齢者虐待防止事業である研修事業や新規事業、地域包括支援センターを中核とする高齢者虐待防止ネットワーク構築事業について、その実態、効果、機能状況等を各種の調査方法を用いて検証し、結果を迅速に関係者にフィードバックして各事業の推進を支援すること、また、こうした事業の形成的評価方法の意義と課題を明らかにすることを目的とした。 調査結果と課題は迅速に文書化し、区の担当課および関係機関等に随時配布した。また、2か月ごとに開催された防止ネットワーク運営委員会で発表し、参加者の検討材料を提供した。その結果、防止ネットワーク運営委員会における事例検討会の実施、参加機関間の連携条件の明確化、防止マニュアル改善への反映、新規事業の利用条件の緩和、次年度以降の検討課題の確認などが行われた。 事業の検証結果と課題のフィードバックにより、事業推進の支援を一部実施できたが、本年度のフィードバックの結果は次年度以降に表われてくるはずである。こうした形成的評価事業は少なくとも3年の期間が必要と思われる。事業の成果を測定しやすいサービス事業と異なり、高齢者虐待防止事業はその事業目標や目標達成の指標設定が必ずしも容易ではなかった。そのため、区や地域包括支援センターを初めとする関係機関の理解も不十分で、十分な調査協力が得られたとは言いがたく、設定作業自体を共同で実施すべきであった。また、事業実施者である区の管理職や中核スタッフの連続の異動は、調査目的や計画の理解を求める作業を増やすとともに、関係者の協働意欲に影響を与えた。評価対象である事業実施者に関しては担当課を超えた部としての協力実施を形式だけでなく実質的に保障してもらうなど、事前の打ち合わせと用意は周到にすべきことを再確認した。
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Research Products
(1 results)