2009 Fiscal Year Annual Research Report
エビデンスに基づく高齢者福祉実践のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19530496
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
和気 純子 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 准教授 (80239300)
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Keywords | 高齢者福祉 / ソーシャルワーク / エビデンス / ケアマネジメント / 効果評価 |
Research Abstract |
本研究は、近年、欧米諸国で推進されている「エビデンスに基づ実践」の動向と方法をふまえ、介護保険制度の導入によって効率化とケアの質的向上が求められるわが国の高齢者福祉実践における、エビデンスに基づく実践のあり方について検討を行うことを目的とした。 本年度は、ソーシャルワーク実践および研究の観点から、エビデンスの収集および検証をめぐる論点を整理し、その成果を雑誌『ソーシャルワーク研究』に論文として発表した。 また、本研究では昨年度までに2つの大きな調査を実践した。一つは、改正介護保険法のもとで創設された、地域包括支援センターにおける介護予防ケアマネジメントに関する効果評価(エビデンスの検証と評価のための枠組みの開発)であり、もう一つは重度要介護高齢者の在宅継続/施設入所をめぐる要因に関するエビデンスの収集である。前者については、今年度はその成果を日本社会福祉学会において3件の報告にまとめた。後者については、日本ケアマネジメント学会で報告するとともに、成果の一部を『老年社会科学』に論文として発表した(査読有)。 さらに本年度は、上記の調査研究を補足するために、3つの調査を実施した。介護予防ケアマネジメントに関するエビデンスの検討については、当初の予定ではアメリカにおける専門家からのヒアリングを予定していたが、相手方の事情により本年度の調査が困難になったことから、これに代わるものとして、神奈川県下の介護支援専門員へのグループインタビューを実施した。また、重度要介護高齢者の在宅継続/施設入所をめぐるエビデンスに関しては、昨年度、郵送調査に協力にただいた介護支援専門員に再び郵送法による意識調査を行った(N=340)。さらに、世田谷区内の社会福祉法人の協力のもと、長期に在宅で暮らしている重度者への事例研究(N=6)を実施し、量的のみならず質的なエビデンスの検証を行った。
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Research Products
(4 results)