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2008 Fiscal Year Annual Research Report

アルコール依存症者の「語り」からみた回復過程の質的分析と自助グループの役割

Research Project

Project/Area Number 19530500
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

児島 亜紀子  Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (40298401)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松田 博幸  大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30288500)
KeywordsAA / アルコール依存症 / 回復 / ハイヤーパワー / スピリチュアリティ
Research Abstract

20年度は、AAメンバー1名、AA以外のグループメンバー1名にインタビューを実施し、それぞれのメンバーにおけるハイヤーパワーの意味とその役割、プログラムの活用の実際等を聞き取った。そのデータは現在分析し、論文としてまとめるところである。また、20年度は平成19年度日本社会福祉学会での報告でも取り上げた「他者/外部としてのハイヤーパワー」という概念の精緻化を試みた。AAにおけるメンバーの回復に大きな影響力をもつ「ハイヤーパワー」については、これまで既存宗教の神との違いが必ずしも明らかにされてこなかった。そのため、しばしばAAをカルトと同様の集団と見る誤解が生まれてきた。われわれの研究では、ハイヤーパワーをメンバーにとっての外部/他者とおき、直接現前することはないものの、もっとも基本的な部分で自己のありようを規定するものであると捉えることにより、既存宗教において表象された神(たとえば人格神としてのイエス)との違いを明らかにした。また、20年度はAAにおける人間観を、社会福祉援助におけるそれと比較し、ピア・カウンセリングの意義を捉え返す試みを行った。社会福祉援助においては、個人/主体は自立した成人のモデルで示される。実際には、クライアントは依存的な状況にあるにもかかわらず、援助実践においてはクライアントの自己決定や自己開発が強調される。AAにおいては依存的な状況は全面的に受容され、自己決定はハイヤーパワーにいわば棚上げされる。AAでは、社会福祉援助実践とは異なり、個人の自己決定や自己開発に対する価値はペンディングされるものの、そうした態度がハイヤーパワーを見いだすことに繋がり、逆説的に回復への道を開く。今年度は、AAメンバーの回復過程とハイヤーパワーの関係を考えるための、上記のような理論的整理を行った。

  • Research Products

    (4 results)

All 2009 2008

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 英国ポストモダンソーシャルワークにおける認識論的および倫理的課題をめぐって--ハウ論文の批判を中心に2009

    • Author(s)
      児島亜紀子
    • Journal Title

      社会問題研究 第58巻

      Pages: 29-43

  • [Journal Article] セルフヘルプ・グループをめぐる『越境』 : 当事者同士の『つながり』の技法2009

    • Author(s)
      松田博幸
    • Journal Title

      ソーシャルワーク研究 第34巻第4号

      Pages: 31-39

  • [Journal Article] セルフヘルプ・グループの原理に根ざした精神障害者ビジネスの展開 : カナダ・オンタリオ州におけるオルタナティブ・ビジネスの現状2009

    • Author(s)
      松田博幸
    • Journal Title

      社会問題研究 第58巻

      Pages: 185-193

  • [Presentation] 社会福祉学の基盤としての主体概念に関する批判的考察--singularityの〈再〉発見とともに2008

    • Author(s)
      児島亜紀子
    • Organizer
      日本社会福祉学会
    • Place of Presentation
      岡山県立大学
    • Year and Date
      2008-10-11

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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