2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530504
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
平野 亙 Oita University of Nursing and Health Sciences, 看護学部, 准教授 (10199086)
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Keywords | 社会福祉関連 / 広汎性発達障害 / 生活障害 / 評価尺度 / 自閉症 / 施設入所成人 / 支援 |
Research Abstract |
自閉症などの広汎性発達障害(以下PDD)は、発現する障害の個別性が高く、その生活上の障害を定性的・定量的に評価することは困難であるが、日常的な支援や将来の自立へ向けた支援のためには、PDD児・者の生活場面における生きにくさ、すなわち生活障害を適切に評価する必要がある。平成19年度の本研究においては、自閉症者療育施設に入所する成人男性15名を対象する観察調査および、入所者の支援担当職員3名からの聞き取り調査を実施した。 観察された行動上の課題は、ADLに関する大項目6(中項目11)項目と、社会生活に関する大項目7(中項目12)項目に分類された。ADLに関連した項目のほとんどは、観察による定型的な評価が可能と考えられたが、社会生活に関連した項目のうち、自閉症固有の障害特性であるこだわりに関連した行動上の問題や情動のコントロールに関したは、対象者に合わせた個別性の高い対応が必要とされ、定型的な評価ではなく、個別になされる支援の観点からの評価の必要性が示された。 PARSなど既存尺度との比較検討の結果、情動のコントロールやこだわりに関する問題については該当する既存項目がなく、新たに評価項目を設定する必要が認められた。 以上の結果から、既存の評価尺度に基づく定型的評価に加えて、現在検討が進められているSISによる障害評価のように、支援者からのケアマネジメントの観点に基づく個別的な評価方法が必要であることが示唆された。
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