2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530506
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
鈴木 幸雄 Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 教授 (20171267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 好恵 帯広大谷短期大学, 社会福祉学科, 助教 (90406009)
花澤 佳代 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (40305941)
佐藤 秀紀 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60265105)
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Keywords | 里親 / ソーシャルサポート / 養育観 |
Research Abstract |
本研究は里親支援の方向性に関する基礎的な指針を得ることをねらいとし、平成19年度の調査研究では、札幌市を除く北海道内(郡部)の登録里親全数の472名に対し、自記式質問紙を用いた郵送法の調査を実施した。質問項目は、基本属性に関する項目、委託児童との生活に関する項目、情緒的支援ネットワーク認知尺度とした。 質的変数の解析については、単変量解析ではχ^2検定を実施し、多変量解析では目的変数を情緒的疲弊度の高低の2群、説明変数をソーシャルサポートの高低として独立性の高い項目を検出した。 特に単変量解析を実施した結果、情緒的支援ネットワーク認知尺度で設定した、家族カテゴリーでは10項目中8項目で、里親仲間カテゴリーでは10項目中6項目で、児童相談所カテゴリーでは10項目中10項目でそれぞれ有意差(P<0.05)がみとめられた。さらに単変量解析で有意差がみとめられた項目について、多変量解析を実施したところ、家族カテゴリーでは「会うと心が落ち着き安心できる人」、「甘えられる人」の2項目、児童相談所カテゴリーでは「自分の気持ちや秘密を打ち明けられる人」、「気持ちの通じ合う人」の2項目でそれぞれ有意差(P<0.05)がみとめられた。さらにこの4項目による多変量解析を実施し、オッズ比を算出したところ、児童相談所カテゴリーの「気持ちの通じ合う人」の1項目の独立性の高さが示唆され、オッズ比も正の値であった。 以上から、里親の情緒的疲弊(ストレス)の高低に最も影響を与えた項目は、児童相談所の「気持ちの通じ合う人」という結果が得られた。この知見は里親制度において児童相談所が担うべき役割が大きいことを示唆している。
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