2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530514
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宮本 悟 Chuo University, 経済学部, 准教授 (70352846)
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Keywords | 家族手当 / 児童手当 / 社会保障 / フランス / 少子化 |
Research Abstract |
本年度は、フランス家族給付制度を下支えしてきたアソシアシヨンとしての家族団体(とりわけ、UNAF家族団体全国連盟)に着目して、家族運動の歴史的展開および家族団体の家族給付政策について、検討・分析することを課題とした。 1.フランスでは19世紀末から20世紀初頭にかけて、フランス人口増進国民同盟(Alliance nationale pour 1'accroissement de la population frangaise)をはじめとする家族団体の組織化が進められ、近代的家族運動が推進されるようになった。今年度はとりわけ、1945年3月3日オルドナンス発布以降について、家族団体が家族給付制度の展開に与えた影響を考察した。 2.フランス家族運動の中核に位置するUNAFは独自の家族政策を掲げており、とりわけ家族給付については普遍主義的対応を政府に求めている。この姿勢は、1997年ジョスパン改革の論議において、家族手当への所得制限導入を阻止する主張を貫き改革反対運動を展開した際にも明確に示していた。近年提言している家族給付政策についても、親の社会的地位と関連づけることなく児童の養育費・教育費負担を部分的に埋め合わせる、というUNAFの基本的姿勢が確認できた。 これまでに進めてきた研究の成果については、論文としてとりまとめ、『経済学論纂』(中央大学)にて公表する予定である。
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