2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害者の「リカバリー」に関する概念整理とケアマネジメントの実証的研究
Project/Area Number |
19530517
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小澤 温 Toyo University, ライフデザイン学部, 教授 (00211821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 弘巳 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80291144)
的場 智子 東洋大学, ライフデザイン学部, 講師 (40408969)
木内 明 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (70298181)
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Keywords | リカバリー / ケアマネジメント / 障害者 |
Research Abstract |
19年度は、障害者の「リカバリー」に関する概念の整理研究として、先行研究および文献資料の整理を行った。あわせて、アメリカおよび韓国における「リカバリー」概念を用いた実践の分析として、「カンザス大学における精神保健福祉の研究動向」、「韓国の精神保健福祉施策とクラブハウスモデル実践の現状」、の2つの研究を実施した。また、「リカバリー」概念を中心に据えた実践を推進するための人材養成および研修プログラムの検討のために、「ACT-Jにおける教育・研修」における研修効果に関する研究を行った。さらに、地域における「リカバリー」促進のための環境整備として、地域生活の分析に焦点をあてて、「精神障害者の生活行動の実態と病気の回復過程における生活行動の再構築」の研究を行った。同様に、「リカバリー」促進のための環境整備として、就労生活の分析に焦点をあてて、「精神障害者の就労に関する研究-「リカバリー」の視点から」の研究を行った。 障害者の「リカバリー」に関する概念の整理では、リカバリーは病気の回復を内包しているが、それ以上に、人生の回復過程、主体性の回復過程などの意味を含んでおり、病気の回復=リカバリーという従来の医学的な視点における意味とは相当異なることが明らかになった。アメリカおよび韓国における「リカバリー」概念を用いた実践に関する研究では、カンザス大学で取り組んでいるWRAPプログラムとストレングスケアマネジメントの研修教材とそれを用いた研修のあり方、韓国における精神障害者によるクラブハウス活動の実践とその特徴の整理、について考察を加えた。「ACT-Jにおける教育・研修」に関する研究では、ACT-Jプログラムにおける実際の多様な研修プログラムを比較しながらリカバリー概念との関連を検討した。今後、多様なプログラムを整理して、「リカバリー」の視点を強化できるような研修プログラムの要件の検討の必要性を指摘した。
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Research Products
(6 results)