2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘンリ・ナウエンの福祉思想-「弱さ」とスピリチュアリティをめぐる逆説-
Project/Area Number |
19530526
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木原 活信 Doshisha University, 社会学部, 准教授 (20275382)
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Keywords | ヘンリ・ナウエン / キリスト教 / ソーシャルワーク / 弱さ / スピリチュアリティ / 福祉思想 |
Research Abstract |
本研究では、社会福祉領域におけるスピリチュアリティの研究を基底に、ハーバード大学の教授からカナダにある知的障害者施設ラルシュのケアワーカー(アシスタント)に転じた思想家、神学者、福祉実践家であるヘンリ・ナウエンの「創造的弱さ」「スピリチュアリティ」という概念をとりあげ、その福祉実践思想と実践価値について研究した。 ナウエンの福祉思想は、科学主義、パワーと強さに象徴される現代社会の逆説として、人間そのものの「傷つきやすさ」や「弱さ」のもつ神秘性と逆説的パワーを提起しているが、そこにこそ、これまでにない新しい斬新敵な福祉の発想と可能性をもっている。 今年度は、これら一連のナウエンの福祉思想の研究の基礎的研究と位置づけ、関連するキリスト教社会福祉の基本的な文献収集、解析を中心に研究を試みた。また関連する、実践においてスピリチュアリティの諸相や概念定義の検討を試みた。特に、これらの研究の第一人者であるシカゴにあるロヨラ大学のソーシャルワーク学部のDaniel Lee教授より、特にスピリチュアリティに関する国際動向を踏まえ研究レヴューを受けることができた。他のバイステックなどのカトリック思想家との関連づけ、などの示唆をうることができた。 まだ十分に熟成しているとは言いがたいが、キリスト教社会福祉学会やキリスト教神学の雑誌においても、関連する基礎的議論であるスピリチュアリティやキリスト教社会福祉実践の思想の一旦について研究成果を報告することができた。
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Research Products
(4 results)