2007 Fiscal Year Annual Research Report
大学を人的・情報的地域資源とする『今働けないひと』への労働機会の創出
Project/Area Number |
19530533
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
望月 昭 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (00166323)
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Keywords | 学生ジョブコーチ / 就労支援 / 個別の包括支援プラン / セルフマネジメント / 援助設定 / 京都市 / 養護学校 / 企業 |
Research Abstract |
養護学校高等部の生徒を対象とした「学生ジョブコーチ」による就労支援に関しては、自らの就労行動に関するセルフマネジメント行動を促進する「セルフチェック表」「振り返りシート」「スケジュール表」「マニュアル」といった援助設定の効果が実証的に確認された。 今年度は、中小企業を中心とした実習ルーティーンの支援みでなく、大企業に就労した障害生徒の就労支援も行い、学校と企業による合同シンポジウムなどを通じて、企業側からの障害生徒受け入れに際しての学校に対する要請も明確になってきた。 つまり連携の場面に必要な移行情報内容は、従来の就労移行で使用されていたような当事者の属性的表現のものではなく、今回その効果が確認されたような行動成立に必要な具体的「援助設定」あるいはその個別個人に有効な「教授」の方法である。 そのような情報は、京都市の総合支援学校では、本来「個別の包括支援プラン」と呼ばれるものに含まれるものであるが、実際には充分な有効利用には至っていない。今回の企業との連携による実践研究により、改めてこのプランの機能的な使用と運用の方法が浮き彫りになるかたちとなった。 今年度の大きな成果のひとつは、「就労」という移行状況において、上記のような学校と企業との連携の具体的方法を大学セクター(学生ジョブコーチ)が仲介的に追及する過程で、養護学校における教育実践の成果の機能的表現方法についての提言が行えた点である。
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