2009 Fiscal Year Annual Research Report
大学を人的・情報的地域資源とする『今働けないひと』への労働機会の創出
Project/Area Number |
19530533
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
望月 昭 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (40129698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 崇 立命館大学, 文学部, 准教授 (50340477)
藤 信子 立命館大学, 応用人間科学研究科, 教授 (30388102)
中村 正 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90217860)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
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Keywords | 障害者就労支援 / 学生ジョブコーチ / ひきこもり / 対人援助学 / 個別の支援計画 / 地域連携 |
Research Abstract |
当研究は、「今」様々な理由で働くことのできない個人を対象に、「援助-援護-教授」という3つの機能的支援の連環を前提とした「対人援助学」の枠組みをもとに、大学をひとつの情報的、人的、物理的資源として、当事者が絶えず積極的にコミットできる継続的就労支援の方法を検討することにあった。 21年度では、障害のある個人および長期のひきこもり成人を対象にして、従来にはない「はたらく場」の創造を通して、具体的な援助設定やそれを前提とした教授設定について体系的にまとめる事ができた。 前者(障害のある生徒)では、一般企業、実習企業、そして大学に設えた擬似店舗などの場において、学生ジョブコーチによる当事者のセルフマネジメントを中心としたメタスキルの獲得を通じて、当事者関与を促進する(=キャリア・アップ)ための系統的支援の方法が実証的に検討された。そこでは課題分析表をもとにした外的支援ではなく、自らが課題分析や評価を行い、作業工程そのものを改定していけるような支援の具体的な方法が確認された。長期にわたるひきこもりの成人においては、家庭内でのジョブ創出からNPO等での就労までを、援助設定としての親グループの役割を再検討し、今できる仕事(ジョブ)を構造的かつ系統的に導入する方法が実証的に検討された。 これらの実践的研究の内容は、総括的出版物として、前者では「対人援助学の可能性」(福村書店)、ひきこもりに関しては「ヒューマンサービスリサーチ」特集号16巻(立命館大学人間科学研究所、全72頁)として発刊した。また21年11月には、「日本対人援助学会」という新しい対人援助研究の表現の場において、京都市や他大学の実践者及び研究者とのシンポジウムを通じて、継続的就労に関する、セクターをまたがる「個別の支援計画」の情報移行の可能性を含めたさらなる地域連携の具体的方策が討論された。
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Research Products
(11 results)