2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期犯罪・受刑者の社会復帰と福祉的支援に関する調査研究
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19530534
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 隆司 Otemon Gakuin University, 社会学部, 准教授 (60387925)
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Keywords | 高齢犯罪者・受刑者 / 刑事施設 / 更生保護法人 / 満期釈放 / 釈放前調整 / 福祉的支援 |
Research Abstract |
本研究は増加する高齢犯罪者について,その刑罰の実際および更生保護を通した社会復帰における福祉的支援について取り組むものである。平成19年度は,刑事施設および更生保護法人における職員へのインタビュー調査,保護司・教戒師など関連職へのインタビュー調査,および文献・調査報告書等の収集と分析を実施した。また本研究の専門的助言を得るため,龍谷大学矯正・保護研究センター基礎研究部門の嘱託研究員として調査研究に参加した。学会における関連事項を中心とした研究報告を計3回実施した。また次年度に向けた調査の依頼活動及び資料請求,刑事施設担当職員との継続的な意見交換及び等を実施した。また,個別的処遇に関する刑事政策および刑事施設における状況について,刑事施設1箇所から受刑者へのインタビューについての協力を得,その打合せを実施している。 インタビュー調査は刑事施設7箇所のべ7回,更生保護法人3箇所のべ7回実施,また関連して教戒師1名へのインタビュー調査を実施した。このうち刑事施設では,高齢受刑者の概況・推移だけでなく,処遇(居室・作業場等)および釈放前調整における担当職員から満期釈放者の帰住先確保が困難である等,刑事施設での福祉的支援に関する具体的な課題について得ることが出来た。また識字教育を受けている高齢受刑者への指導から,受刑者の社会背景等に対する示唆が得られた。 また,集団処遇を通して認知症のある高齢受刑者が処遇へ適応している現状,職員や篤志面接委員・教戒師への相談の機会が制約されていることが明らかとなった。 以上の調査研究については,調査の依頼にあたり公表前の承諾を得る等の手続を踏んでいるため,年度内刊行物による報告が行えなかったが,平成20年度刊行の論文・文献を通して報告を実施することとなった。
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