2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算モデルによる認知メカニズムの社会関係的基盤の研究
Project/Area Number |
19530554
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高木 英至 Saitama University, 教養学部, 教授 (20163165)
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Keywords | 効用関数 / 確率評価 / 確率重みづけ関数 / 進化的計算 / 適応 / プロスペクト理論 / 行動経済学 |
Research Abstract |
本年度は申請した研究テーマの範囲の中から,行動経済学ないしプロスペクト理論の前提(効用関数,確率重みづけ関数)が進化計算から再現されるか否かに焦点を絞って研究した。プロスペクト理論の前提とは,人間行動のメカニズムが認知的に規定されると考えるものと解釈でき,認知的社会心理学における楽観主義,悲観主義の議論をこの枠組みで捉えることが,可能性として考えられたからである。実施した計算実験の結果は,大まかにはプロスペクト理論の定式に従うものであったが,同時に,次のような観測知見を得た。(1)プロスペクト理論で標準的に想定するままの効用関数は再現されないこと。(2)適応の要因によって効用関数が変異し得ること。(3)社会心理学における楽観主義の議論に符合する確率評定が生じ得ること。
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