2008 Fiscal Year Annual Research Report
関係性としての「文化」:多様な集合体における文化形成・変容過程の研究
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19530556
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
村本 由紀子 Yokohama National University, 大学院・国際社会科学研究科, 准教授 (00303793)
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Keywords | 関係性 / 集合体 |
Research Abstract |
本研究は、現実社会の多彩な集合体における成員の間でかたちづくられる種々の関係性のありようと、その維持・変容プロセスに着目することを通じて、集合体における関係性の束(集積)として「文化」を再定式化することを試みるものである。平成20年度の主な研究成果は次のとおり。第一に、前年度に引き続き、チェーン展開をしている企業の複数店舗・部署を対象として、組織内の暗黙の規範や、リーダーシップのかたち、成員の組織に対する心理的契約のあり方などに関する調査を実施し、成員の職務満足度、ワーク・モチベーションとの関連を含めて検討した。前年度までの調査対象企業は主として飲食チェーン店だったが、今期はその他の業種(スポーツクラブチェーンなど)に対しても新たに調査を実施し、組織レベルでとらえたリーダーシップの多角的構造に関するこれまでの知見を再確認した。これらの成果を、2008年夏にドイツで開催された国際心理学会のシンポジウムにおいて発表した。第二に、個人または集団レベルの達成(成功)経験に対する高揚的または卑下的な原因帰属が、異なる関係性のもとでいかに異なった印象を他者に与えるかについて、日本・韓国・アメリカ(ハワイ)の比較文化研究として検証し、その成果を学術論文として投稿した。審査の結果、Asian Journal of Social Psychologyへの掲載が決定した。
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