Research Abstract |
本研究は,意見調整の過程をゲーミング・シミュレーション手法を用いて可視化し,各主体間での合意形成のためのツールを開発することにある. 平成20年度は、意見調整ゲームの開発を行った.具体的には、以下の3つのことを行った. 1.「意見調整ゲーム(1)」((仮称,名称未確定.昨年度作成)について,再検討を行った.これは,試験的実施の結果,また,ドイツ及びスイスにおいてゲームデザイナー,研究者との意見交換を行った結果,ルールや実施方法にさらに検討すべき課題が複数出てきたからである.また,海外でのヒヤリングにおいて,評価指標についても、新たに含めるべき点を資料と共に指摘されたため,この点もあわせて検討を行った. 2.「意見調整ゲーム(2)」(仮称,名称未確定)を開発に着手した.このゲームは,五角形のボード上の5つの円盤を回転させることによって,5人のプレーヤの行動や意見の相互依存性を表現したものである.本年度は、このボードを使って,複数のルールを試作して比較検討した.また,学会等で一部を公表し,参加者からのフィードバックを得た. 3.ゲーミング手法の教育的効果の測定手法を確立するために,複数の指標を相互に比較検討した.本年度は,特に量的指標について検討したが,上記のルールの設定に合わせ,質的な指標の方が効果測定の指標としてはよりよいのではないかという結果を得た.この点については,次年度の公開にあわせ,さらに詳細にデータを分析する予定である.
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