Research Abstract |
本研究は,意見調整の過程をゲーミング・シミュレーション手法により可視化し,各主体間での合意形成のためのツールを開発することにある. 平成22年度は、当初の計画を,研究の進行状況にあわせて,若干の修正を行って実施した.平成20年度に作成した「意見調整ゲーム(1)」については,「Communication Game」としてルールを確定し,キット化した.「Communication Game」は,討論場面で使用される典型的な動作(意見を引っ込める,まとめる,付け加える,など)を評価・集約して製作されたカードを用いて議論を進めるものである.ただし,利用できるカードの枚数は限られているため,どの場面でそれぞれのカードを使うかが,議論について考えるきっかけを与えるゲームとなっている.また,「意見調整ゲーム(2)」については,「Communication Game」のカードを,五角形のボード上にだしていきながら,議論を行うものである.カードを集計してポイントを競うルールとなっている. この他,「理想のいえ」「キープクール」「クロスロード」を用いて意見調整のプロセスの分析を行った.以上の成果については,関連学会で発表し,また2009年11月にはオーストリアフォラルベルク工科大学のKriz教授の来日機会をとらえた国際ワークショップを開催し,その教育効果についても参加者を含め,討論を行ったところである. これら制作したゲームのルールについて,順次論文化を行い,出版公表していく予定である.
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