2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知バイアスの意識的修正に対する主観的感覚およびメタ認知の意図せざる影響
Project/Area Number |
19530564
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
工藤 恵理子 Tokyo Woman's Christian University, 現代教養学部, 准教授 (50234448)
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Keywords | 認知バイアス / バイアスの修正 / 属性推論 / 気分の効果 / 自己中心的バイアス |
Research Abstract |
平成21年度は、認知バイアスの修正の影響について、後続の認知過程への影響と、他者の認知バイアスの修正に関するメタ認知への影響の2つの点に関する実験的検討を行った。 前者については、属性推論における対応バイアスを題材に、対応バイアスが生じないように推論を修正した場合に、後続の社会的推論においてバイアスが増加するかという点をビデオを用いて、状況の制約の下で意見を述べている人物の真の態度を推測する実験により検討した(当初の予定を変更し、後続の社会的推論も属性推論を用いた)。しかし、予測したような修正に基づく後続課題でのバイアスの増大は認められなかった。 後者については、実験でポジティブ気分を導入し、そのときの気分に注意を向けさせることで、後続の判断への気分の影響を自発的に除去させる状況を用い、自分が自発的に気分に基づくバイアスを修正した場合に、他者のバイアス修正についてどのように推測するかを検討する実験を行った。しかし、仮説を支持するような、他者のバイアス修正についての自己中心的な推論の証拠を見いだすことはできなかった。 上記の実験研究を遂行するのに加え、昨年度家施した後悔感情を用いた他者の感情状態についての推論における自己中心的バイアスに関する実験結果を国内外の学会において発表した。
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Research Products
(3 results)