2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子コミュニケーションにおける対人調整:言語・非言語情報の透明性錯覚への影響
Project/Area Number |
19530568
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
岡本 真一郎 Aichi Gakuin University, 心身科学部, 教授 (80191956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 美加 明治大学, 商学部, 准教授 (90337204)
多門 靖容 愛知学院大学, 文学部, 教授 (10231424)
|
Keywords | 電子コミュニケーション / 透明性錯覚 / 対人関係 / 皮肉 / 宥和 / 定型表現 / 感情 / ポライトネス |
Research Abstract |
研究代表者岡本は,Eメールにおいて送り手側は伝達の成功を過剰評価する,透明性錯覚についての検討を継続した.皮肉や謝罪をEメールで伝える際の表現方法や伝達状況と透明性錯覚の関わりを検討するものである.実験によって,皮肉の言明の中の微妙な不誠実性が透明性錯覚に及ぼす影響を実験的に検討した(不誠実性としては正書法違反と絵文字を扱った).また,もう一つの独立変数として参加者の視点・情報を操作した.実験の結果,透明性の錯覚の生起が確認された.このほか,謝罪の伝達に関しても,送り手の過剰評価が生ずるかどうかを実験的に検討した. 研究分担者佐々木は,透明性錯覚に介在する感情的要因の検討のために,葛藤における感情反応を実験的に検討した.具体的には,実験によって,運転者同士が宥和的に行動する方法を考察した.路上の状況設定をデジタルカメラで撮影された写真で呈示され,運転者として予想される感情を自己評定した.相手の運転者が好意的行動を行った方が敵意的行動を行った場合よりも,ポジティブな感情を想起していた。また,これには,葛藤状況の種類も影響していた. 研究分担者多門は,話しことばにおける定型表現の扱いに焦点を当てた.定型表現は電子コミュニケーションにおいても重要な役割を果たすし,また,送り手の使用意図と受け手の解釈との食い違い,さらには送り手の透明性錯覚を生ずる可能性を孕むものである,また,多門は新しい比喩の作成動機についても検討した.新しい比喩も電子的コミュニケーション状況での伝達の齟齬の一因となりうるものである,これら定型表現や比喩に関して,主として用例の分析によって問題の解明を試みた.
|
Research Products
(3 results)