2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530569
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
諸井 克英 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 生活科学部, 教授 (80182286)
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Keywords | 家族 / 親子関係 / 女子青年 |
Research Abstract |
前年度に引き続き親子関係認知に関する先行文献の収集を行い,本研究全体の指針を再度確認した。そのうえで,親子関係認知の基本構造を計量的に把握するために行った前年度の研究を踏まえ,以下の女子大学生を対象とした回顧調査を実施した。過去(小学上級学年)の親子経験を自由想起させる質問紙を作成し,父親と母親ごとに,肯定的経験と否定的経験をそれぞれ3つずつ自由に記述させるようにした。この自由記述質問紙を女子大学生(N=447)を対象に実施した。回答者の全反応を基に記述内容を整理した。ここでは,計量化よりも質的分析に中心をおいた。全反応を整理した結果,肯定的経験では「家族旅行」や「おでかけ」などの「共行動」,否定的経験では「けんか」や「怒られる」などの「いさかい」という点で父母の共通性があったが,ジェンダー差も検出された。母親との肯定的経験は日常生活に密着したものがあり,父親との否定的経験では一方的強制に関するものが顕著であった。記述内容をさらに精査し,親子関係認知の対父母での共通点と差異点をさらに明らかにするための分析を引き続き行っている。前年度の調査では,「過去(小学上級学年)の対父親・対母親経験」,「現在の家族関係認知」,「家族経験に関わる自己評価としてのアダルト・チルドレン傾向」の間の関係を捉えた。今年度の質的分析の結果を,前年度に実施した計量的研究に基づく結果と比較し,親子関係認知の心理学的意義をより明確にする。
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Research Products
(1 results)