2008 Fiscal Year Annual Research Report
障害理解のための効果的かつ適正な障害シミュレーション体験方法の開発
Project/Area Number |
19530578
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳田 克己 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30197868)
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Keywords | 障害理解 / シミュレーション体験 / 不安 / 恐怖心 |
Research Abstract |
体験内容および難易度の異なる4パタンの視覚障害歩行シミュレーション(すべて手引き歩行)をそれぞれ異なる被験者に体験させ、時間経過にともなう不安・恐怖心の喚起の程度の変化を測定した。被験者はプリテスト実施後にアイマスクを着用し、最後の測定が終了するまで遮眼状態であったため、測定はすべて口頭で行った。なお、被験者に実験の内容を事前に知らせなかった。体験時間が不安・恐怖心に与える影響を測定するために、1回の体験を3クールに分けて測定を行った。まず、被験者にプリテストを行った。プリテストでは、その後の結果と比較するために、アイマスクや視覚障害歩行シミュレーションを体験していない状態での不安・恐怖心を測定した。続いてそれぞれのパタンを、アイマスクをつけた状態で13分間体験させ、その後2分間の測定を行った。この13分間の体験と2分問の測定を1クールとし、3クール(計45分)行った。 分散分析の結果、人通りが少ない場所、人通りが多い場所ともに測定時点について有意差が認められ、人通りが多い場所での不安、人通りが少ない場所での恐怖心、人通りが多い場所での恐怖心、時間の長さが体験者の不安・恐怖心に影響を与えていることが明らかになった。 不安は、いずれのパタンにおいても第1クール(13分)後が最も高くなっており、第1クール(13分)以降は、時間が長くなるにつれて低下していた。つまり、学校現場でしばしば行われている10分程度の視覚障害歩行シミュレーション体験は、体験者の不安を高める体験になってしまっていることが確認できた。
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