2007 Fiscal Year Annual Research Report
心理教育的観点からみた教員資質の分析とその評価・開発方法に関する研究
Project/Area Number |
19530580
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
古屋 健 Gunma University, 教育学部, 教授 (20173552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所澤 潤 群馬大学, 教育学部, 教授 (00235722)
山口 陽弘 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80302446)
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Keywords | 教員資質 / 心理教育的集団 / リーダーシップ / 児童生徒理解 / コミュニケーションスキル / 自己制御 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は,心理教育的観点から,今求められている教員資質の内容を体系的に分析し,その評価方法と開発方法を考案することである。平成19年度は以下の点を明らかにした。 1.教員資質の分析 教員に求められる資質の全体像を明らかにし,心理教育的集団すなわち「こころの成長を促す集団活動を行う集団」のリーダーとしての資質との関連について検討した。その結果,興味としての児童生徒理解,スキルとしてのコミュニケーションの2点が共通する資質として上げられ,心理教育的集団のリーダーに特有な資質として自己制御が上げられた。 2.教員資質の評価 教育学部の3年生と4年生を対象に,15項目にわたる教員資質の自己評価を求める調査を実施した。教員志望の学生では,授業や教育実習の中で児童生徒理解やコミュニケーションスキルについては一定の水準まで学習できていると評価されていた。ただし,卒業後,教職に就いた卒業生を対象とした同様な調査結果によれば,大学卒業時での達成水準の評価は学生と比較して相対的に低くなっており,大学教育においてもなお指導の余地が残されていることが示唆された。 3.教員資質の開発 心理教育集団のリーダーに求められる自己制御の資質を評価、開発する道具としてEQ(情動的知能)尺度と情動調整スキル尺度の開発を試みた。教職を志望する学生を対象とした調査の結果,情動調整スキル尺度については十分な信頼性と妥当性が確認できたが,EQ尺度についてはなお改善すべき問題が指摘された。
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