2008 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児・者にかかわる人々の障害理解・障害受容の心理的過程に関する研究
Project/Area Number |
19530586
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長峰 伸治 Kanazawa University, 人間科学系, 准教授 (50303574)
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Keywords | 軽度発達障害 / 障害理解 / 障害受容 / 心理的葛藤 / 保育士 |
Research Abstract |
軽度発達障害児に関わる人々の障害理解・障害受容に関する心理的過程について検討するために、実際に軽度発達障害児と日々接している保育士(軽度発達障害児が在籍するクラスの担任保育士6名)を対象に面接調査(半構造化面接)を行った。 主な質問項目は、「担当した当初、当該児の行動などを理解する上で困ったことはなかったか?」「あった場合、関わる上で心理的葛藤はなかったか?」「その葛藤の内容はどのようなものであったか?」「一年間を通して当該児への理解や葛藤はどのように変わったか?変わるきっかけは何であったのか?」などであった。また、研究代表者が当該児に関するコンサルテーションを1年間に3回行っており、そのコンサルテーションによって障害理解に関してどのような変化があったのかについても尋ねた。面接の内容については被調査者の了解を取ってテープに録音した。結果については分析中であるが、当該児との関わりによる葛藤や理解の困難さをもたらす要因と、それらの変化をもたらす要因を整理している段階である。 このほかに、小学校および高等学校における発達障害の児童生徒への支援を、研究代表者がカウンセラー(相談員)として、学校教員、保護者とともに援助チームを形成して行った。その過程における教員や保護者の障害に対する理解・受容の程度の変化、また、その変化と教員-保護者の連携のあり方との関連に着目して事例検討を行った。また、軽度発達障害の子どもを持つ母親の面接を行い、心理的な援助を行う中で、母親が抱える葛藤(対当事者、対家族、対自分)について検討を行った。
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