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2010 Fiscal Year Annual Research Report

<けんか>についての認識の発達の多様性:幼児期3年間の縦断的研究

Research Project

Project/Area Number 19530601
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

久保 ゆかり  東洋大学, 社会学部, 教授 (10195498)

Keywordsけんか / いざこざ / 幼児期 / 縦断的研究 / インタビュー法 / 参与観察 / けんかへの対処方略 / 手続き的知識
Research Abstract

幼児は、仲間との<けんか>をどのように捉えているのかについて、4歳児たちの1年後と2年後を追って縦断的に検討した。具体的には1対1のインタビューをおこない、〈けんか〉についての概念的・実際的な認識および手続き的な知識を尋ねる質問をした。その結果、4歳から5歳を経由して6歳へ至る年齢集団としての変化について、次のことが見出された;(1)4歳の時点では、〈けんか〉の対処について問われても、語るまでには至っていない子どもが少なからずいて、自覚的に捉えることがまだできかねている場合のあることがうかがえる。一方、ほぼ半数の子どもたちは、謝罪や譲歩について語った。謝罪や譲歩は、〈けんか〉のおさめ方の定型的なものであり、自己抑制的なものと考えられる。4歳の時点では、そのような自己抑制的で定型的な対処法について自覚的に捉えられることがほぼ半数の子どもたちが可能であることがうかがえた。(2)5歳の時点では、引き続き〈けんか〉の対処について自覚的に捉えることができかねている場合のあることがうかがえる。同時に、過半数の子どもたちが、謝罪や譲歩について語ったことからは、5歳の時点では、過半数がそのような定型的な対処法について自覚的に捉えられるようになったことがうかがえる。それとともに、「ジャンケン」および「とめる」と語った子どもの人数が増え、〈けんか〉を自身で交渉により収めようとしたものと解釈可能な語り方ができるように変化していった。(3)6歳の時点では、多くの子どもたち(約7割)が、〈けんか〉を自身で交渉により収めようとしたものと解釈可能な語り方ができるようになったことがうかがえるとともに、そのほか子どもたち(約3割)は、謝罪や譲歩について語った。6歳の時点では、〈けんか〉への対処として、自身で交渉により収めようとするものと、自己抑制的で定型的なものが、二つの大きな対処の仕方となっていたことが示唆される。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 幼児期における<けんか>への対処の発達-4歳時から6歳時にかけての変化2011

    • Author(s)
      久保ゆかり
    • Journal Title

      東洋大学社会学部紀要

      Volume: 48巻2号 Pages: 41-56

  • [Presentation] 情動発達研究の可能性と課題;シンポジウム「現代発達心理学の行方を占う-社会・文化に生きる人間-」における話題提供2011

    • Author(s)
      久保ゆかり
    • Organizer
      日本発達心理学会第22回大会
    • Place of Presentation
      東京学芸大学
    • Year and Date
      2011-03-26
  • [Presentation] 幼児期における<けんか>への対処についての認識の発達-4歳時から6歳時にかけての変化-2011

    • Author(s)
      久保ゆかり
    • Organizer
      日本発達心理学会第22回大会
    • Place of Presentation
      東京学芸大学
    • Year and Date
      2011-03-25
  • [Book] 『発達科学ハンドブック』第5巻氏家達夫・遠藤利彦(編)『社会・文化に生きる人間』のなかの第18章「情動理解と情動調整の発達-情動的知性を育む」

    • Author(s)
      久保ゆかり
    • Publisher
      新曜社(発行確定)

URL: 

Published: 2012-07-19  

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