2008 Fiscal Year Annual Research Report
想起抑制における意図-行為-表象の循環的機序に関する実証的研究
Project/Area Number |
19530604
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野村 幸正 Kansai University, 文学部, 教授 (30113137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金敷 大之 畿央大学, 健康科学部, 専任講師 (30388897)
森田 泰介 岡山学院大学, 人間生活学部, 専任講師 (10425142)
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Keywords | 教育系心理学 / 意図 / 行為 / 想起抑制 / 表象 |
Research Abstract |
1. 自伝的記憶の直接的検索について(研究計画1) 実験および調査の結果,(1)想起意図に関係なく,におい手がかりがある場合には,自伝的記憶を自発的に思い浮かべやすいことが明らかとなった,(2)ある目標に対する時間的展望を持っている場合,回想的記憶は目標に関連した情報が自発的に思い浮かぶのに対して,展望的記憶は目標に関連しない情報も自発的に思い浮かぶ傾向が見られた。これらの結果は,日本認知心理学会第6回大会および日本心理学会第72回大会において発表された。 2. 環境文脈の違いにおける反応傾向の違いについて(研究計画2) 実験の結果,環境文脈に参加者が囲まれていた場合には,環境文脈が参加者の前面にしかない場合に比べ,同一性あるいは類似性の判断基準が厳しくなる傾向が見られた。おそらく,参加者が利用可能な手がかりの量および質が異なると考えられる。この実験結果および考察は,関西心理学会第120回大会にて発表された。 3. 実践者における意図-行為-表象の循環について(研究計画3) インド心理学で重視されている心身の一体性に関して,当地での実践者に対する聞き取り,自らの瞑想実践,さらには文献収集を通して得られた知見を統合し,自らの身体における意図-行為-表象の循環を気流れる身体として捉え,それを認知科学の枠組みで再構築した。その成果は,人体科学会第18回大会で企画されたシンポジュウムで「気流れる身体から認知科学への提言」として報告した。
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